車の平均使用年数と平均車齢の推移|長く乗られる車が部品商の補修部品需要を支える
2026年10月6日
車がよくなって壊れにくくなり、部品が売れにくくなった。部品商の経営者からよく聞く話です。ただ、統計を見ると別の面もあります。自動車検査登録情報協会(自検協)によると、軽自動車を除く乗用車の平均車齢は9.44年(2025年3月末)で、33年連続で高齢化しています。平均使用年数は13.35年です。軽自動車検査協会の統計でも、軽乗用車の平均車齢は2025年12月末で9.80年と、10年前より2年近く延びました。車が長く使われるということは、すでに走っている車の補修部品が長く必要とされるということです。この記事では、登録車と軽自動車の数字を別々に確認し、保有台数の推移とあわせて部品商の需要の読み方と打ち手を整理します。
車の平均使用年数と平均車齢(登録車・自検協)
平均車齢は、いま保有されている車が初めて登録されてから平均で何年たっているかを表す数字です。平均使用年数は、新車で登録された車が抹消されるまでに平均で何年使われたかを表します。前者は「いま走っている車の年齢」、後者は「車の寿命」に近い指標と考えるとわかりやすいでしょう。自検協が公表している軽自動車を除いた数字は次のとおりです。
| 項目 | 2025年3月末(最新) | 2015年3月末(10年前) | 10年の変化 |
|---|---|---|---|
| 乗用車の平均車齢 | 9.44年 | 8.29年 | 1.15年延びた |
| 乗用車の平均使用年数 | 13.35年 | 12.38年 | 0.97年長くなった |
| 貨物車の平均車齢 | 12.13年 | 11.09年 | 1.04年延びた |
| 貨物車の平均使用年数 | 16.29年 | 13.72年 | 2.57年長くなった |
自検協の資料には「自動車の長期使用化がさらに進み、33年連続で高齢化するとともに、31年連続で最高齢を更新した」と書かれています。乗用車の保有台数(軽自動車を除く)は3,868万275台で、その平均車齢が9.44年です。貨物車の平均車齢は初めて12年台に入りました。
平均使用年数は、毎年同じ方向に動いているわけではありません。乗用車の過去最長は2021年(令和3年)の13.87年で、その後いったん短くなり、2025年は前年を0.03年上回って4年ぶりに長くなりました。中古車の相場や新車の供給の状況によって、手放す時期は前後します。
登録乗用車の平均車齢と平均使用年数(2025年3月末)
自動車検査登録情報協会によると、2025年3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均車齢は9.44年で、前年より0.10年延び、33年連続で高齢化しました。10年前の2015年と比べると1.15年延びています。平均使用年数は13.35年で、4年ぶりに長くなりました。過去最長は2021年の13.87年です。貨物車の平均車齢は12.13年で、初めて12年台に入りました。いま走っている車の年齢は、長い期間をかけて上がり続けています。
軽自動車の平均車齢と平均使用年数(軽自動車検査協会)
自検協の数字には軽自動車が入っていません。軽自動車は軽自動車検査協会が別に集計しており、各年12月末の数字を公表しています(2026年2月13日更新)。
| 項目 | 2025年12月末(最新) | 2015年12月末(10年前) |
|---|---|---|
| 軽乗用車の平均車齢 | 9.80年 | 7.97年 |
| 軽乗用車の平均使用年数 | 16.46年 | 14.03年 |
| 軽貨物車の平均車齢 | 14.08年 | 12.04年 |
軽乗用車の平均車齢は10年で1.83年延びました。軽貨物車は14年を超えています。軽トラックや軽バンを多く扱う地域の整備工場では、年式の古い車の入庫が続いていると考えられます。
軽自動車の平均使用年数は、その年に永久返納された車両をもとにした数字です。登録車(自検協)の平均使用年数は保有台数の減り方から推計しており、計算の方法が違います。そのため、登録乗用車の13.35年と軽乗用車の16.46年を並べて「軽のほうが3年長く使われる」とは言えません。集計の時点も、登録車は3月末、軽は12月末で異なります。
自動車保有台数の推移(自検協)
車が長く使われているあいだ、保有台数はどう動いてきたのか。自検協の推移表(各年3月末)から抜き出すと、次のようになります。
| 時点 | 保有台数(二輪を含む合計) | うち乗用車 |
|---|---|---|
| 2004年3月末 | 77,390,245台 | 55,288,124台 |
| 2016年3月末 | 80,900,730台 | - |
| 2026年3月末 | 82,775,321台 | 62,071,613台 |
| 2026年6月末(月報・最新) | 83,086,808台 | - |
2026年3月末の保有台数は、10年前の2016年3月末の102.6%で、横ばいからわずかに増えた水準です。2026年3月末の内訳は乗用車6,207万1,613台、貨物車1,452万9,799台でした。新車の販売台数が伸び悩んでも、走っている車の数は減っておらず、その車が年をとっていく。これが補修部品の需要の土台になっています。
平均車齢の延びと補修部品需要の「時間差」
新しい技術は、まず新車から入ってきます。衝突被害軽減ブレーキが新車のほぼ全数に付き、新車の販売で電動車の比率が上がっても、すでに走っている8千万台を超える車がすぐに入れ替わるわけではありません。平均使用年数が13年を超えるということは、今年売れた新車の多くが10年以上先まで道路を走り続けるということでもあります。
この「時間差」は、整備業の売上にも表れています。日整連の自動車特定整備業実態調査(令和7年度調査、2024年度実績)では、総整備売上高は6兆6,592億円で4年連続の増加でした。
| 調査年度 | 総整備売上高 | 事業場数(認証工場) |
|---|---|---|
| 平成27年度(10年前) | 5兆5,133億円 | 92,160 |
| 令和5年度 | 5兆9,072億円 | 91,849 |
| 令和6年度 | 6兆2,561億円 | 92,384 |
| 令和7年度(最新、2024年度実績) | 6兆6,592億円 | 92,251 |
総整備売上高は10年前の約1.21倍に増え、事業場数はほぼ横ばいです。売上高は会員事業場の2割の抽出調査から推計した値で、伸びた理由の内訳までは概要に書かれていません。それでも、車が長く使われる時代に整備の仕事そのものが細っているわけではないことは読み取れます。
裏返せば、時間差はいつまでも続くものでもありません。新車の中身が変われば、10年、15年かけて保有車の中身も変わっていきます。電動化の影響はEVが部品商に与える影響で、事故の減少については交通事故件数の推移と部品需要で取り上げています。時間差がある今のうちに、取引の形を整えておくことが部品商の課題です。
車齢の高い車で出やすい部品と整備工場への提案
車齢が上がると、走行距離や年数で傷む部品の交換が増えてきます。具体的な交換時期は車種や使い方によって大きく違うため、ここでは数字を出さずに、考え方として整理します。
| 部品の系統 | 例 | 提案の考え方 |
|---|---|---|
| ゴム・樹脂部品 | ブーツ類、ホース類、マウント、ワイパーゴム | 年数で硬くなるため、車検の見積で状態と一緒に提示しやすい |
| 足まわり | ショックアブソーバー、ブッシュ、ハブベアリング | 乗り心地や異音の相談から入りやすい |
| 冷却・補機 | ラジエーター、ウォーターポンプ、ベルト類 | 一緒に替える部品を組みで提案できる |
| 電装品 | バッテリー、オルタネーター、スターター | リビルト部品を選択肢に入れると費用を抑えた見積が作れる |
車齢の高い車のオーナーは、修理にかける費用に慎重なことが少なくありません。純正部品だけでなく、優良部品やリビルト部品を含めた複数の見積を出せる整備工場は、お客様に選んでもらいやすくなります。その選択肢をそろえて届けるのが部品商の役目です。部品の種類による違いは純正部品、優良部品、リビルト部品の違いにまとめています。
整備工場への小さな提案も、取引を続けるきっかけになります。車検で入ってきた車のワイパーゴムの交換の声かけ、ヘッドライトの黄ばみ取りやガラスの撥水といった商材の案内は、整備工場の売上を一品ずつ増やす話です。部品を届けるだけの関係から、整備工場の売上を一緒に考える関係へ。車齢の高い車が多い今だからこそ、提案の材料は多くあります。
部品商が今やること(長く乗られる車への備え)
- 取引先の整備工場で、車齢の高い車に定番で出る消耗部品を洗い出し、工場の棚に置く常備部品の品目に組み込みます。使った分だけ精算して補充する形なので、都度の配達を減らしながら取引を固められます。
- 常備部品の適合確認を、整備士がその場でできるようにします。部品検索システムでは、型式指定番号と類別区分番号から車両を絞り込み、適合部品と棚番、在庫数を確認できます。基準在庫を設定しておけば、不足分をまとめて発注できます。詳しくは部品検索システムの機能をご覧ください。
- 車齢の高い車を多く扱う地域や業態に、取引先を広げます。新規開拓の代行では、都道府県や市区町村と業態を指定して、整備工場や車両販売店にFAXDMやメールマガジンで案内を届けられます。
- 預託在庫の考え方は預託在庫・常備部品とはで、全体の打ち手は自動車部品商の生き残り策で整理しています。
取引先の整備工場でどの部品を常備すればよいか迷ったときは、無料相談でご相談ください。
よくある質問
- 車の平均使用年数は何年ですか?
- 自動車検査登録情報協会によると、2025年3月末の乗用車(軽自動車を除く)の平均使用年数は13.35年です。過去最長は2021年の13.87年でした。貨物車は16.29年です。
- 平均車齢と平均使用年数はどう違いますか?
- 平均車齢は、いま保有されている車が初めて登録されてから平均何年たっているかを表します。平均使用年数は、新車で登録された車が抹消されるまでに平均何年使われたかを表します。登録乗用車の平均車齢は9.44年、平均使用年数は13.35年です(2025年3月末)。
- 軽自動車の平均車齢はどのくらいですか?
- 軽自動車検査協会によると、2025年12月末の軽乗用車の平均車齢は9.80年、軽貨物車は14.08年です。軽乗用車の平均使用年数は16.46年ですが、登録車とは計算方法が違うため、そのまま比べられません。
- 平均車齢が上がると部品商にはどんな影響がありますか?
- すでに走っている車が長く使われるため、ゴム部品や足まわり、冷却系、電装品など、年数や走行距離で傷む部品の補修需要が続きます。新車の変化が保有車全体に広がるまでには時間差があり、その間に取引の形を整えることが課題になります。
- 自動車の保有台数は減っていますか?
- 減っていません。自検協によると2026年3月末の保有台数は82,775,321台で、10年前の2016年3月末の102.6%です。2026年6月末は83,086,808台でした。
出典・参考資料
- 自動車検査登録情報協会「平均車齢」(令和7年3月末)
https://www.airia.or.jp/publish/file/syarei_2025.pdf - 自動車検査登録情報協会「平均使用年数」(令和7年3月末)
https://www.airia.or.jp/publish/file/shiyounensuu_2025.pdf - 自動車検査登録情報協会「わが国の自動車保有動向」
https://www.airia.or.jp/publish/statistics/trend.html - 自動車検査登録情報協会「自動車保有台数」
https://www.airia.or.jp/publish/statistics/number.html - 自動車検査登録情報協会「自動車保有台数の推移(昭和41年〜)」
https://www.airia.or.jp/publish/statistics/hoyuudaisuusuii_2026.pdf - 自動車検査登録情報協会 月報(令和8年6月末)
https://www.airia.or.jp/publish/statistics/01.pdf - 軽自動車検査協会「軽自動車の平均車齢・平均使用年数」
https://www.keikenkyo.or.jp/information/statistics/average_data.html - 軽自動車検査協会 平均車齢推移表(2005〜2025年)
https://www.keikenkyo.or.jp/Portals/0/files/information/statistics/average_data/heikinsyarei2005-2025.pdf - 軽自動車検査協会 平均使用年数推移表(2005〜2025年)
https://www.keikenkyo.or.jp/Portals/0/files/information/statistics/average_data/heikinsuii2005-2025.pdf - 日本自動車整備振興会連合会「令和7年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について」
https://www.jaspa.or.jp/Portals/0/resources/jaspahp/member/data/pdf/R07jittaityousa.pdf
記載内容は2026年10月6日時点で公表資料を確認したものです。統計は各機関の最新公表値で、今後更新されることがあります。
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