部品発注システムで部品商の受注をデジタル化|FAX注文からの移し方と在庫管理
2026年10月6日
自動車部品商の受注は、いまも電話とFAXが中心という会社が少なくありません。整備工場の現場ではFAXが日常的に使われており、電話一本で頼める気軽さは取引の強みでもあります。一方で、口頭やFAXの注文には、聞き間違い、品番違い、伝票への転記、受注ミスによる再配達といった手間がつきまといます。この記事では、部品商の経営者と営業責任者の方に向けて、電話とFAX中心の受注で起きている課題を整理し、部品発注システムを使ったデジタル化を三つの段階に分けて説明します。後半では、日本カーネットの部品検索システムの画面で何ができるかと、取引先の整備工場に使ってもらうための進め方をまとめます。
部品商のFAX注文・電話受注で起きている課題
整備工場からの注文が「シルバーのあの車の、あの部品」という口頭の言い方で入ると、受ける側は車両と部品を特定し直す必要があります。適合を調べ直し、在庫を確かめ、伝票を起こす。この確認と転記の作業が受注1件ごとに積み上がり、繁忙期には受注ミスによる再配達まで起きます。
| 受注の場面 | 電話・FAXで起きやすいこと | 結果として増える手間 |
|---|---|---|
| 注文を受ける | 口頭の車種名や部品名の聞き間違い | 整備工場への折り返し確認 |
| 部品を特定する | 品番違い、適合の取り違え | 適合の調べ直し、誤品の引き取りと再配達 |
| 在庫を確かめる | 在庫の有無をその場で答えられない | 倉庫の確認と、あとからの連絡 |
| 伝票を起こす | FAXや手書きメモからの転記 | 転記ミスと、その確認作業 |
| 納品を待つ | いつ届くかが整備工場から見えない | 「まだ届かないのか」という問い合わせ電話 |
受注の入口で起きたずれは、配達の現場にそのまま持ち込まれます。部品商の業務効率化を考えるとき、配達の回数や配送ルートだけを見直しても、誤品による再配達や確認の電話は減りません。受注の入口から見直す必要があるのはこのためです。
FAXそのものが悪いわけではありません。日本カーネットでは、整備工場への新規の案内でFAXDMの効果を確認しています。FAXで受けている注文のうち、どこで聞き間違いや転記が起きているかを切り分け、その部分から置き換えていくのが現実的です。
部品商の受発注デジタル化の3段階
受発注のデジタル化は、一度に全部を切り替える必要はありません。整備工場の側の慣れも考えると、次の三段階で進めると無理が少なくなります。
| 段階 | 変えること | 減らせる手間 |
|---|---|---|
| 第1段階:発注の受付 | 整備工場が画面で車両を特定し、部品を選んで注文する | 聞き間違い、品番違い、伝票への転記 |
| 第2段階:在庫の見える化 | 在庫の有無や棚番、基準数を整備工場と共有する | 在庫確認の電話、部品待ちの時間 |
| 第3段階:受注ステータスの共有 | 納品準備中、取寄せ中、納品完了といった状態を双方で見られるようにする | 「いつ届くのか」の問い合わせ電話 |
第1段階:発注の受付をデジタルにする
最初に置き換えたいのは、注文の入口です。整備工場が型式指定番号や類別区分番号で車両を特定し、その車に合う部品を画面から選んで注文すれば、口頭の車種名から部品を探し直す作業がなくなります。注文の内容が品番と数量のデータとして届くので、伝票への転記も要らなくなります。
第2段階:在庫を見える化する
次に、在庫の情報を整備工場と共有します。部品の在庫があるかどうか、棚のどこにあるかを整備工場が自分で確かめられれば、「あれは在庫ありますか」という電話が減ります。整備工場の棚に部品を置く預託在庫(常備部品)と組み合わせると、整備士が棚の部品を使い、減った分を部品商が補充するという流れまでつながります。
第3段階:受注ステータスを共有する
最後に、注文した部品が今どの状態にあるかを双方で見られるようにします。整備工場は届く時期の目安をつかんで作業の段取りを組め、部品商は確認の電話に手を取られなくなります。
部品商の受発注デジタル化とは
部品商の受発注のデジタル化とは、電話とFAXで受けていた整備工場からの注文を、車両の特定、部品の選択、在庫の確認、納品状況の共有まで含めて画面上のデータでやり取りする形に移すことです。進め方は、発注の受付、在庫の見える化、受注ステータスの共有の三段階に分けると整理しやすくなります。第1段階で聞き間違い、品番違い、転記の手間を、第2段階で在庫確認の電話と部品待ちを、第3段階で「いつ届くのか」という問い合わせを減らす、というように段階ごとに減らせる手間が違います。整備工場の慣れに合わせて一段ずつ進めるのが現実的です。
部品発注システム・部品検索システムでできること
日本カーネットのカーネット部品検索システムは、整備工場に置いた常備部品の適合確認と棚番の検索から、発注、受注の管理までを行う、部品商様向けの部品検索システム・部品発注システムです。前の節の三段階に沿って、画面ごとの機能を整理します。
| 段階 | 画面 | 主な機能 |
|---|---|---|
| 発注の受付 | 整備工場画面・常備部品検索 | 型式指定番号と類別区分番号、または車両型式で検索し、車名、型式指定文字、型式類別番号、メーカーNo.、ネームプレートなどの車両情報を表示 |
| 発注の受付 | 部品一覧 | 「注文リストへ」で取扱部品を注文。リストに無い部品は「問合せ項目の作成」から部品名と数量を入力して依頼 |
| 在庫の見える化 | 部品一覧(在庫あり/在庫なし) | 品名、品番、棚番、在庫数、基準数、利用数、希望価格、仕入れ価格を一覧で表示 |
| 在庫の見える化 | 常備在庫の補充 | 基準在庫を設定し、棚卸のタイミングで不足分を一括注文 |
| 受注ステータスの共有 | スマートフォンでの確認 | 納品完了、納品準備中、取寄せ中の状態を確認 |
| 部品商の管理 | 部品商管理画面(ホーム) | ライセンスキーの割り当て率、整備工場の一覧、問合せ件数の推移、ご注文件数の推移を1画面で把握 |
整備工場の画面
整備工場は、型式指定番号と類別区分番号、または車両型式で車両を検索します。検索結果が複数あれば車両一覧から対象の車を選び、その車に付く部品を一覧で確認します。部品一覧の「在庫あり」は整備工場の常備部品棚にある部品、「在庫なし」は棚には無いものの部品商の取扱対象である部品です。棚にある部品は「使用リストへ」、取り寄せる部品は「注文リストへ」で処理します。
純正のマフラーやバンパーのように車種ごとの特注品で、取扱部品のリストに入っていないものは、画面下部の「問合せ項目の作成」に部品名と数量を入力して依頼します。電話で口頭説明していた注文も、同じ画面から文字で届くようになります。
部品商の画面
部品商側には、自社情報、工場一覧、問い合わせ一覧、注文一覧、注文詳細の管理画面があります。注文内容の画面では、注文日時、整備工場名、住所、担当者名、電話番号の基本情報と、部品No.、品名、メーカー、品番、希望価格、仕切り価格、注文数が一覧で並び、状態を「未出庫」「準備中」「入庫完了」「キャンセル」で絞り込めます。問合せ詳細の画面では、製造開始終了年月、グレード、変速方式、排気量、エンジン型式、エンジンタイプといった車両情報と一緒に、品名、メーカー、品番、個数を確認できます。
支店や営業担当ごとの権限管理にも対応しています。ブロック長や支店長は担当ブロックの整備工場の情報を閲覧でき、各営業担当は自分の担当する整備工場だけを見るように設定できます。整備工場の登録や変更、ライセンスの発行についても、細かく権限を分けられます。
このページで紹介している機能は、部品検索システムの公開ページに記載している範囲です。料金や導入の条件は、取引先の数や使い方によって変わるため、お問い合わせフォームからご相談ください。
部品商の在庫管理システムとして使うときの考え方
「部品 在庫管理システム」と聞くと、部品商の倉庫の在庫を数える仕組みを思い浮かべる方が多いかもしれません。部品検索システムが管理するのは、整備工場の棚に置いた常備部品の在庫数と基準数、利用数で、取引先の棚の在庫を部品商と整備工場が同じ数字で見られる点が特徴です。基準数を下回った分を棚卸のタイミングでまとめて注文できるので、補充の訪問と在庫管理を一つの流れで回せます。
自社倉庫の在庫や会計とのつながりをどうするかは、各社で使っている仕組みによって変わります。導入の前に、受注のデータをどの業務につなげたいかを社内で整理しておくと、相談が具体的になります。
部品発注システムを取引先の整備工場に使ってもらう進め方
部品発注システムは、部品商が入れただけでは効果が出ません。注文を出すのは整備工場なので、取引先に使ってもらえるかどうかで成果が決まります。次の順で進めると、整備工場の負担を抑えながら広げられます。
- 電話やFAXの注文が多く、聞き間違いや再配達が起きている取引先から始める
- 営業担当者が訪問のついでに、整備士と一緒に車両の検索から注文までを一度操作する
- 最初は電話とFAXの注文も並行して受け、画面からの注文に慣れてもらう
- 受注ステータスをスマートフォンで見られることを伝え、確認の電話をかけなくてよくなる点を実感してもらう
- 部品商管理画面でライセンスキーの割り当て率と注文件数の推移を見て、使われていない取引先を営業担当がフォローする
整備工場にとっての利点を先に示すと、使ってもらいやすくなります。部品の到着を待つ時間が減ること、棚にある部品の適合と棚番をその場で確かめられること、納品状況を電話せずに確かめられることの三つは、整備士の日々の作業に直接効きます。システムの説明より、整備工場の困りごとから話を始めるほうが前に進みます。
部品商が今やること
- 直近1か月の受注を、電話、FAX、その他に分けて数え、聞き間違いや品番違いで再配達になった件数を記録する
- 確認の電話がどの場面で多いか(在庫の有無、納期、適合)を営業担当者と事務担当者から聞き取る
- 三段階のうち、最も手間が大きい段階から手を付ける
- 取引の多い整備工場を数社選び、部品検索システムを試してもらう
- 受注の入口が整ったら、常備部品の棚を置いて都度配達を減らす
常備部品モデルの考え方はトップページの常備部品(預託在庫)モデルで、受注を整えたあとに取引先を増やす方法は新規取引先の開拓支援と部品商の新規開拓の進め方で説明しています。部品商を取り巻く環境と打ち手の全体像は部品商の生き残り策、整備工場が使う整備システムを部品商が扱う形は整備システムの代理店をご覧ください。
よくある質問
- 部品発注システムを入れると、電話やFAXの注文はなくなりますか?
- すぐにはなくなりません。整備工場の慣れに合わせて、しばらくは電話とFAXも並行して受けるのが現実的です。画面から注文すれば車両と品番がデータで届くので、聞き間違いや転記の手間がかかる注文から順に置き換えていきます。
- 整備工場はどうやって車両と部品を特定しますか?
- 部品検索システムでは、型式指定番号と類別区分番号、または車両型式で検索します。車名、型式指定文字、型式類別番号、メーカーNo.、ネームプレートなどの車両情報が表示され、その車に付く部品を一覧から選べます。
- 取扱部品のリストに無い部品も注文できますか?
- できます。画面下部の「問合せ項目の作成」に部品名と数量を入力して依頼します。純正のマフラーやバンパーなど、車種ごとの特注品がこれにあたります。
- 納品の状況は整備工場からも見えますか?
- 受注ステータス(納品完了、納品準備中、取寄せ中)をスマートフォンで確認できます。整備工場側でも状況が共有されるため、「まだ届かないのか」という確認の電話が減ります。
- 支店や営業担当ごとに見られる情報を分けられますか?
- 分けられます。ブロック長や支店長は担当ブロックの整備工場の情報を、各営業担当は自分の担当する整備工場だけを見られるように設定できます。整備工場の登録や変更、ライセンスの発行も権限で管理できます。
出典・参考資料
- カーネット部品検索システム(日本カーネット株式会社)
https://ps.j-carnet.co.jp/index.php/top/parts_dealer_system/ - 自動車部品商向けサービス 常備部品・部品検索システム・新規開拓(日本カーネット株式会社)
https://ps.j-carnet.co.jp/
記載内容は2026年10月6日時点で公表資料を確認したものです。統計は各機関の最新公表値で、今後更新されることがあります。
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