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部品商とは?自動車部品商の役割と取扱部品・部品卸の流通構造を解説

2026年10月6日

部品商とは、自動車の補修部品、用品、機械工具、オイル、ケミカル類を、整備工場や鈑金塗装工場、ガソリンスタンド、中古車販売店などに供給する卸売業のことです。「自動車部品商」「自動車部品卸」「パーツ商社」とも呼ばれます。経済センサスでは「自動車部分品・附属品卸売業」に分類され、2021年調査で法人の事業所が全国に8,083ありました。この記事では、部品商の役割、取り扱う部品の種類と定義、部品が整備工場に届くまでの流通の構造を、経済産業省や業界団体の資料で確認します。あわせて、取引先である整備業の規模と、部品卸の事業所数の推移を数字で示し、車の変化の中で部品商に求められる役割がどう変わるかを考えます。

自動車部品商とは(補修部品の卸売業)

自動車部品商は、自動車メーカーや部品メーカーがつくった補修用の部品を仕入れ、修理や点検をする現場に届ける仕事です。新車の組み立てに使う部品をメーカーに納める部品サプライヤーとは立場が違い、すでに走っている車を直すための部品を扱います。取引先の中心は整備工場で、鈑金塗装工場、ガソリンスタンド、中古車販売店、カー用品店なども含まれます。

総務省と経済産業省の経済センサス‐活動調査では、日本標準産業分類の細分類5422「自動車部分品・附属品卸売業(中古品を除く)」が部品商にあたります。中古部品を扱う卸は別の細分類5423「自動車中古部品卸売業」です。2021年調査では、5422の法人事業所が8,083、従業者が9万8,650人、2020年1年間の年間商品販売額が約10兆2,373億円でした。

部品商の役割(補修部品の供給・適合の特定・即日配達)

部品商の仕事は、倉庫から部品を出して運ぶだけで終わりません。経済産業省の「自動車補修部品産業未来ビジョン」(2014年12月改訂)は、地域部品商の役割を「純正部品や部品卸販売会社より仕入れる優良部品の整備専業者への配送と、整備専業者からの発注に応じた部品の品番・価格検索の役割を担っている」と書いています。現場の言葉に直すと、次の3つになります。

役割中身整備工場から見た意味
補修部品の供給純正、優良、リビルト、リユースなど複数の仕入先の部品をまとめて扱う仕入先を1社にまとめられ、支払いや問い合わせの窓口が減る
適合の特定車両型式や型式類別から、その車に付く部品と品番を調べる品番違いの取り寄せや作業のやり直しが減る
即日配達注文を受けたその日のうちに部品を届ける部品待ちでリフトが止まる時間が短くなる

なかでも適合の特定は、部品商の腕が出るところです。同じ車名でも年式やグレード、エンジン型式によって付く部品が違い、電話で「シルバーのあの車の、あの部品」と言われても、それだけでは品番が決まりません。この「探す力」と、当日中に届ける「届ける力」が、部品商の商品そのものだといえます。最近は、整備工場の側で適合と在庫を調べられるようにして、電話とFAXのやり取りを減らす動きもあります。受発注の仕組みの変化は部品商の受発注のデジタル化で取り上げています。

部品商が扱う部品の種類(純正・優良・リビルト・リユース)

部品商が扱う補修部品は、誰のブランドで供給されるか、新品か再生品かで呼び方が分かれます。定義は業界団体や国の資料で次のように説明されています。

種類定義(出典の記述)出典
純正部品自動車メーカーが自社のブランドと流通ルートで供給する補修用部品日本自動車部品協会(JAPA)
第二純正部品純正部品と同程度の品質を確保しつつも低価格な部品経済産業省 未来ビジョン
優良部品部品メーカーが独自ブランドで供給する補修部品で、JAPAの自動車優良部品推奨制度により推奨されたもの及びそれらと同等の品質を有するもの日本自動車部品協会(JAPA)
リビルト部品使用済自動車から取り外した部品などをベースに、摩耗・劣化した構成部品を新品と交換、再組立しテスターで品質確認した再生部品日本自動車リサイクル部品協議会(JAPRA)
リユース部品使用済自動車から取り外した部品を分解等の手を加えず、点検と清掃・美化を施して商品化した再利用の部品日本自動車リサイクル部品協議会(JAPRA)

リビルト部品とリユース部品をまとめて「リサイクル部品」と呼びます。団体によって「リビルド」「リビルト」の表記は分かれています。また、いわゆる「社外品」は団体が定めた言葉ではなく、部品メーカーのブランドの補修部品を指す一般的な呼び方です。経済産業省のビジョンは、優良部品を取り付けた車は自動車メーカーの保証を受けられない一方、部品そのものはPL保険の付保を前提に部品メーカーが保証すると説明しています。リビルト部品については「1~2年に及ぶ保証期間が設定されていることが多い」とも書かれています。それぞれの違いと使い分けは純正・優良・リビルト・リユース部品の違いで詳しく解説しています。

自動車部品の卸の流通構造(一次卸・地域部品商・整備工場)

補修部品が整備工場に届くまでには、いくつかの段階があります。経済産業省のビジョンでは、純正部品は自動車メーカー系の部品販売会社(部販・共販)から、優良部品は部品メーカーから一次卸である部品卸販売会社を経て、二次卸である地域部品商に入り、そこから整備専業者、カー用品専門店、ガソリンスタンド、ホームセンター等の量販店に流れるのが一般的とされています。地域部品商は、複数の流れから集まった部品を、地域の整備工場ごとに組み合わせて届ける位置にいます。

同じビジョンには、2013年度に国が行った調査(地域部品商121社が回答)で、地域部品商が扱う補修部品の金額の内訳が載っています。10年以上前の数字なので現在の比率としては使えませんが、部品商の売上の半分ほどが純正部品で、3割強が優良部品でした。リビルト部品とリユース部品は合わせても4%に届いていません。

地域部品商の位置づけ(2013年度の国の調査から)

地域部品商は、自動車メーカー系の部販・共販から仕入れる純正部品と、部品卸販売会社から仕入れる優良部品を、地域の整備専業者に配送し、整備専業者からの発注に応じて品番と価格を調べる二次卸です。経済産業省の自動車補修部品産業未来ビジョン(2014年12月改訂)に載っている2013年度の調査では、地域部品商121社の取扱比率は金額ベースで純正部品49.4%、優良部品32.3%、第二純正部品8.4%、リビルト部品2.2%、リユース部品1.8%でした。純正と優良の両方を扱い、整備工場ごとに組み合わせて届けるのが地域部品商の特徴です。

部品商の取引先である整備業の規模(整備事業場数と整備売上高)

部品商の主な取引先である整備業の規模は、日本自動車整備振興会連合会(日整連)の自動車特定整備業実態調査で確認できます。令和7年度調査では、認証を受けた整備事業場が9万2,251、うち指定工場が2万9,810でした。総整備売上高は6兆6,592億円で、4年連続で増えています。この売上高は2024年度の実績で、各地の整備振興会の会員事業場への2割の抽出調査から全体を推計したものです。

調査年度総整備売上高整備事業場数うち指定工場
平成27年度(2015年)5兆5,133億円92,16029,737
令和2年度5兆6,561億円91,53330,085
令和5年度5兆9,072億円91,84930,090
令和6年度6兆2,561億円92,38429,932
令和7年度(最新)6兆6,592億円92,25129,810

整備事業場の数はこの10年ほぼ横ばいで、令和7年度は前年度より133減りました。指定工場は3年連続の減少です。整備売上高のうち、車検整備は2兆7,037億円、事故整備は1兆2,253億円(前年度比9.4%増)でした。整備要員の平均年齢は47.7歳です。

部品卸の事業所数の推移(経済センサス・商業統計)

部品商の側の数は、商業統計と経済センサスで追えます。細分類5422「自動車部分品・附属品卸売業(中古品を除く)」の推移は次のとおりです。

調査事業所数従業者数年間商品販売額
平成26年商業統計(2014年)9,36992,254人8兆4,069億円
平成28年経済センサス(2016年)10,393(うち法人9,479)104,589人12兆6,203億円
令和3年経済センサス(2021年)8,083(法人のみ)98,650人(法人のみ)10兆2,373億円(法人のみ)

2021年調査は個人経営の事業所を細分類に含めていません。販売額も2020年1年間の実績で、新型コロナの影響を受けた年です。調査名簿の作り方も変わっているため、総務省は単純な比較に注意を求めています。法人どうしで比べると、事業所数は2016年の9,479から2021年の8,083へ約15%減っています。販売額の増減率はこの条件の違いがあるため示していません。詳しくは部品卸の事業所数の推移をご覧ください。

これからの部品商の役割

部品商を取り巻く環境は変わりつつあります。人身事故は2025年に28万7,023件と、2004年の約3割まで減りました。2024年に国内向けに生産された普通・小型乗用車の99.9%に衝突被害軽減ブレーキが付いています。経済産業省のビジョンは、電気自動車では部品交換機会が減ると見られると書いています。一方で、登録乗用車の平均車齢は9.44年(2025年3月末)と延び続けており、今走っている車の補修部品はしばらく動きます。

この変化の中で、部品商には部品を届けること以外の役割も求められるようになっています。整備工場の中に常備部品の棚を置いて都度の配達を減らす、整備工場が自分で適合と在庫を調べられる仕組みを用意する、整備工場の業務を支える商材を届ける、といった形です。生き残りの打ち手は部品商の生き残り策と将来で、常備部品の考え方は預託在庫・常備部品とはでまとめています。

部品商が今やること

  • 自社の売上を純正、優良、リビルト、リユースなど種類別に分け、2013年度の国の調査と比べて偏りを確かめる
  • 取引先の整備工場の数と、ここ数年で廃業した先の数を数える
  • 電話とFAXで受けている注文のうち、適合の確認に時間がかかっている件数を把握する
  • 整備工場の中に常備部品の棚を置けそうな取引先を挙げる

日本カーネットは、部品商の方向けに、常備部品を支える部品検索システムと、整備工場の新規開拓の代行を提供しています。取引先の整備工場に整備システムを紹介する代理店制度もあります。ご相談はお問い合わせフォームから受け付けています。

よくある質問

部品商とは何ですか?
自動車の補修部品、用品、機械工具、オイル、ケミカル類を、整備工場や鈑金塗装工場、ガソリンスタンド、中古車販売店などに供給する卸売業です。車両型式に合う部品を特定し、当日中に届けるのが主な役割です。経済センサスでは「自動車部分品・附属品卸売業」に分類されます。
自動車部品商は全国にいくつありますか?
令和3年経済センサス‐活動調査では、自動車部分品・附属品卸売業(中古品を除く)の法人の事業所が8,083でした。個人経営の事業所はこの数に含まれていません。2016年調査の法人9,479と比べると約15%少なくなっています。
純正部品と優良部品の違いは何ですか?
純正部品は自動車メーカーが自社のブランドと流通ルートで供給する補修用部品です。優良部品は部品メーカーが独自ブランドで供給する補修部品で、日本自動車部品協会の推奨制度で推奨されたもの、またはそれと同等の品質のものを指します。
リビルト部品とリユース部品はどう違いますか?
リビルト部品は、取り外した部品の摩耗・劣化した構成部品を新品と交換して組み直し、品質を確認した再生部品です。リユース部品は、分解などの手を加えずに点検と清掃をして商品化した部品です。2つを合わせてリサイクル部品と呼びます。
部品商と部品メーカーの違いは何ですか?
部品メーカーは部品をつくる会社で、新車の組み立て用の部品も補修用の部品もつくります。部品商はつくられた補修部品を仕入れ、整備工場などに届ける卸売業です。適合の特定や配達など、修理の現場に近い仕事を受け持ちます。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月6日時点で公表資料を確認したものです。統計は各機関の最新公表値で、今後更新されることがあります。

このサービスは、政府統計総合窓口(e-Stat)のAPI機能を使用していますが、サービスの内容は国によって保証されたものではありません。

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